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イかせ屋…2
第5章 その男、強引につき…
「仕事をするとかは?」
「ダメだ…。」
「なら、ケーキ作りをカルチャークラブに習いに行くとかは?」
「いいよ…。」
そんな会話の翌日には昌さんと出掛ける。
昌さんが向かったのはお料理教室のジムと呼ばれる今流行りのレッスンジム…。
レッスンは普通の集団で受けるお料理教室とは違いプロの講師とのマンツーマンレッスンスタイル。
お値段は半端なくお高いけれど、確実に自分が学びたい事だけを集中してピンポイントで学べる。
相変わらず感覚がおかしいぞとは思うけれど、2人で一緒に居られる時間をダラダラとカルチャークラブに通って無駄にされたくないのだと昌さんが言う。
このジムなら短期間でケーキ作りのみを集中して学べるし、プロ並みにして貰える。
レッスンは全8回。
2ヶ月でまずはケーキ作りの基礎をきっちりと学ぶ。
クリスマスには間に合わないけれども昌さんのお誕生日にはケーキが作れるように間に合うスケジュールでレッスン時間を組んで貰う。
レッスンに行き、学んだケーキを昌さんと親分様の為に作っては曽我家でお茶会をする平和で静かな秋を過ごす。
ヒロ君が京都から帰って来た。
「修行の成果は?」
「うるさい!お前のケーキ作りよりも上達してるに決まってんだろ!」
「何を!?私だってかなり上達したぞ!」
「バリバリの板チョコの塊みたいなのをケーキというのか?」
「ザッハトルテよ!」
ちょっと目分量に失敗したからシットリ食感の予定がパリパリ食感になった事実は伏せておく。
そんなケーキでも甘党の昌さんと親分様はニコニコと笑顔で食べてくれるのだから私的には満足する毎日だった。