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イかせ屋…2
第6章 その男、王子様につき…
冬になり、毎日変わらない日々…。
その日は珍しく朝から昌さんが居なかった。
お昼ご飯には戻って来ると思ってたのに全然帰って来ない。
その代わり、お昼を過ぎた頃だった。
ピンポーン…
とうちのインターホンが鳴る。
インターホンのカメラには清さんが映ってる。
昌さんの運転手をする事が多い清さん…。
元々は昊さんのプロダクションと契約してた俳優さんだったとは昌さんから聞いた。
元は2枚目俳優さんだったのに、ドラマで共演したベテラン女優さんとちょっと色々とあって芸能界への一時的な出禁を受けたらしい。
その間、昌さんが預かるという形で昌さんの運転手をしてた清さんはイかせ屋修行にハマっちゃったという変わり者。
普段は無口だから、ヒロ君とは違いほとんど話をした事がない。
「昌さんなら留守よ?曽我の家には居ないの?」
インターホン越しに清さんに答える。
昌さんが嫌がるからだ。
例え、ヒロ君や清さんでも昌さんが居ない時はこの家に上げるなと言われてる。
『その昌さんから荷物を預かってるんです…。』
清さんが大きな箱を私に見せるようにして言う。
ふむ…。
配達ならば仕方がない。
玄関に向かって鍵を開けると清さんの周りにはプレゼントの箱のような荷物が山積みになってる。
「まさか!?」
「そのまさかです…。夕方には迎えに行くと伝言を預かってます。」
清さんはそれだけを言うと帰って行く。
予想はしてたけれど…。
玄関に積まれた荷物を見てそう思う。
今日はクリスマス・イヴだから…。
昌さんは朝から私の為の買い物に出掛けてたのだと理解する。
プレゼントの箱を順番に開けて行く。
私の身体のサイズは完璧に知ってる昌さん…。
下着にかなりセクシーなドレス。
それに合わせたバッグや靴…。
夕方までに私はそれを身に付けて迎えに来る昌さんとデートという意味のプレゼント。