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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第16章 用法用量は大切です

「……スグリ。」

 察せねーウサギを察したのか、サクナ様から助け船が来た。

「俺が、ビスカスに渡したんだぞ?下戸のこいつに、飲ます様な事させる訳無ぇだろ」
「……え?そう?……………………そうねっ……そうだわねっ……」

 スグリ様ぁ、真っ赤な上に真っ赤になった。
 ……察したんだな、何かをな。飲まさねー様な、何かをな。
 そんでもって、リュリュにゃあすげー目で睨まれてる気がすらぁね……やっぱこの席順で、良かったわ。
 質問して確認して謝んのが目的なのに、確認前にぶん殴られちゃあ、意味がねーやなw

「えーと……俺がサクナ様に頂いたなぁですね……知る人ぞ知る入手困難な酒で、飲む以外にも色っ々使える酒で、大人の夜の為の酒……だったんですけど、スグリ様のお持ちだったのも、おんなじですかね?」

 すげーな、俺。よく咄嗟に上手いこと言えたもんだねー。名付けの才を感じるねw
 なんたって、都のお姫様と領主家のお嬢様が、居なさる席だからね?エロい酒とかムラムラする酒とか(ピーッ)酒とか(ピーッ)とかの、下品な言い方ぁ、いけねーですよ。
 気遣いってな、大事だぁね。

「……ええ……」

 俺が心ん中で自画自賛してると、スグリ様が息も絶え絶えに頷いた。

「……そうよっ……それよっ……」

「いや。違うぞ、スグリ。」

「え?」
「え?」

 真っ赤な顔でぜーぜーしているスグリ様の口と俺の口から、ほとんど同時に同じ音が出た。
 奥様の精一杯のお返事が、ご主人様にぶった切られたからだ。
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