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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
小走りに進んで角を曲がった俺の目に、異様な光景が飛び込んで来た。
そいつを目にした俺は、そこに無理矢理突っ込んだ。
「…これは、何の真似ですか…?」
若奥様。何の真似だよ。
んなとこで、何やってんだ?!
しかも。
なんでウサギ姫に、刃物なんざ…!
こっち側に入った途端に聞こえてきたのは、スグリ様が若奥様に襲われてる音だった。
…ってのを理解したのは、若奥様がスグリ様を鋏で刺そうとしているのを見た後だ。
見た瞬間、鋏を持った若奥様とスグリ様の間に自分を力尽くで捻じ込んで、スグリ様に傷が付くのだきゃあ止めた。
鋏は、スグリ様じゃなく俺の掌を傷付けた。
仕方無え。止めらんなかった俺が悪い。俺ぁこん位は慣れっこだし、スグリ様に刺さるよりゃあ何百倍もマシだ。俺が居る所でウサギ姫に傷なんぞ付いた日にゃあ、サクナ様に顔向け出来ねえ。
掌で鋏の勢いが止まったんで、そのまんま若奥様の手を捻り上げて取り上げようとしたが、凄ぇ力で抵抗された。
…有り得ねえ。普段の若奥様たぁ別人だ。
スグリ様から引き離すのが精一杯で、離れた所で、揉み合いになった。
「…ビ…スカス、さ…」
「へい、スグリ様。ビスカスです」
茫然と呟いたウサギ姫は、俺が答えるとホッとしたのか、ボロボロ泣いた。
見た所、他に怪我ぁしてねぇ様だし、おかしくなっても居ねぇ様だね。こっちぁ一安心だな。
「離して!!」
…問題は、こっちだ。
「離したら、止めてくれますか?」
「うるさいっ!!」
あああ。クッソ面倒くせぇな。
知らねぇ男だったら叩きのめしてお仕舞いなんだが、相手はウチの若奥様だ。
女で、ウチの家の者だ。お嬢様の、兄嫁様だ。
今ぁおかしくなって暴れてるっても、あまり酷ぇ目にゃ合わせられねえ。下らねぇ力比べを続けながら、若奥様が諦めんのを穏便に待つしか無え。
「邪魔よっ…邪魔、しないで!」
こりゃ、止める気無しだね。
それじゃ離せる訳ねーですよ?
離したら俺の身も危ねぇが、それよりスグリ様の身が危ねえ。
「若奥様?ビスカスですよ?目ぇ覚まして下せえ。余所のお宅で、おイタが過ぎますって」
「離して!……離せ!」
ああ…こりゃダメだ。
理由は分かんねーが、完っ全に、正気じゃねえわ。
何でこうなっちまったんだ…それは後だな。
「スグリ様?」
「は、いっ」
ウサギ姫を呼ぶと、少々しゃくり上げながらも、返事した。
そいつを目にした俺は、そこに無理矢理突っ込んだ。
「…これは、何の真似ですか…?」
若奥様。何の真似だよ。
んなとこで、何やってんだ?!
しかも。
なんでウサギ姫に、刃物なんざ…!
こっち側に入った途端に聞こえてきたのは、スグリ様が若奥様に襲われてる音だった。
…ってのを理解したのは、若奥様がスグリ様を鋏で刺そうとしているのを見た後だ。
見た瞬間、鋏を持った若奥様とスグリ様の間に自分を力尽くで捻じ込んで、スグリ様に傷が付くのだきゃあ止めた。
鋏は、スグリ様じゃなく俺の掌を傷付けた。
仕方無え。止めらんなかった俺が悪い。俺ぁこん位は慣れっこだし、スグリ様に刺さるよりゃあ何百倍もマシだ。俺が居る所でウサギ姫に傷なんぞ付いた日にゃあ、サクナ様に顔向け出来ねえ。
掌で鋏の勢いが止まったんで、そのまんま若奥様の手を捻り上げて取り上げようとしたが、凄ぇ力で抵抗された。
…有り得ねえ。普段の若奥様たぁ別人だ。
スグリ様から引き離すのが精一杯で、離れた所で、揉み合いになった。
「…ビ…スカス、さ…」
「へい、スグリ様。ビスカスです」
茫然と呟いたウサギ姫は、俺が答えるとホッとしたのか、ボロボロ泣いた。
見た所、他に怪我ぁしてねぇ様だし、おかしくなっても居ねぇ様だね。こっちぁ一安心だな。
「離して!!」
…問題は、こっちだ。
「離したら、止めてくれますか?」
「うるさいっ!!」
あああ。クッソ面倒くせぇな。
知らねぇ男だったら叩きのめしてお仕舞いなんだが、相手はウチの若奥様だ。
女で、ウチの家の者だ。お嬢様の、兄嫁様だ。
今ぁおかしくなって暴れてるっても、あまり酷ぇ目にゃ合わせられねえ。下らねぇ力比べを続けながら、若奥様が諦めんのを穏便に待つしか無え。
「邪魔よっ…邪魔、しないで!」
こりゃ、止める気無しだね。
それじゃ離せる訳ねーですよ?
離したら俺の身も危ねぇが、それよりスグリ様の身が危ねえ。
「若奥様?ビスカスですよ?目ぇ覚まして下せえ。余所のお宅で、おイタが過ぎますって」
「離して!……離せ!」
ああ…こりゃダメだ。
理由は分かんねーが、完っ全に、正気じゃねえわ。
何でこうなっちまったんだ…それは後だな。
「スグリ様?」
「は、いっ」
ウサギ姫を呼ぶと、少々しゃくり上げながらも、返事した。