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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第11章 嗜みは必要です
 お嬢様の縁談話は、今迄にも有った。俺やお兄様方が相手を吟味した末に話を握り潰したり、お嬢様が気乗りしねぇってぐずぐずしている内に話が流れちまったり、お会いになったが二度はお会いにならなかったりで、纏まらなかったってぇだけだ。
 俺はそんな事を考えながら、客間の方にのろのろ向かった。従兄弟坊ちゃんの部屋はどこかね。ここん家の客間は幾つか有るが、恐らく一番良い部屋だろうね。
 目星を付けた辺りまで行くと、お茶を運んでる侍女に出会った。

「おや。もしかして、お見合い相手様んとこに持ってくんですかい?」
「あら、ビスカス。お帰りなさい、出張ご苦労様」

 顔見知りのその侍女は、俺の「出張」を労ってくれた。今回の騒ぎは、旦那様とご子息様方、奥方様と若奥様、お嬢様と俺しか知らねーからね。俺の不在は「出張」になってんだね……俺みてーのがどこに何しに「出張」すんだよwww

「俺もご一緒して良いですかねー?旦那様に、お客様に挨拶しとけって言われたんでさぁ」
「そうなの?じゃあ丁度良いわ、これお願い」

 そう言われるや否や、お茶のワゴンが押し付けられた。
 ……………………待て。
 俺が、茶ぁ淹れんのか?!
 淹れられんのか、俺!?
 頼まれ事がびっくりすぎて黙っていたら、済まなそうな声がした。

「リアン様が、予定より早くお着きになったの。やらなきゃいけない準備が、まだ終わってなくて……お願い。押し付けるみたいで悪いけど、代わりに運んで貰えたら凄く助かるのよ」

 なるほど。そうだったんですかい。
 そういう事なら、無碍に断るのも気が引ける。

「分かりやした。後で後悔しねーでくだせぇよ……」
「後で後悔?やだわ、ビスカス。後悔って、後でするから後悔って言うんじゃないの。……じゃあ、宜しくお願いね」

 その侍女はころころ笑いながら俺にワゴンをもういっぺん押し付けて、そそくさとその場を立ち去った。
 ……可哀相に。
 知らねーんだね、俺の実力を。俺ぁお嬢様とどっかに出掛けるばっかりで、中の仕事ぁほとんどやらねぇからねー。
 ……よし。
 御従兄弟様を、俺のお茶で、歓迎致して差し上げやしょう。もしかしたら俺ぁこないだ天国見たから、人も実力も、すっかり変わっちまってるかもしれねーしなwww
 俺は受け取ったワゴンをどっかに激突させねぇ様に注意しながら、客間の扉を二回叩いた。
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