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第2章 隠された想い



とある日の昼下がり、綺梨は鼻歌を歌いながら厨房から貰ってきた卵に装飾を施していた



「あら綺梨様、今日は随分ご機嫌でいらっしゃいますね」

「ええ、今日はパーティーもなくてゆっくりしていられるから」

「またそのようなこと仰って……」



と、乳母が彼女の手元を覗き込んだ



「まぁ、イースター・エッグの飾り付けも随分とお上手になりましたわね。

昔は手も顔も絵の具でベトベトに……」

「や、やだっ! そんなの小さい頃の話でしょ!」

「そうでしたかしら……つい二、三年前のような気がしますけれど」



乳母の言葉に綺梨は顔を真っ赤に染める



「長に差し上げるんですか?」

「えっ……ええそうね。仕事が終わって会えればね」



もちろん、そんな気は全くなかった







でも本当のことは誰にも言えない



これは、そんな秘密が詰まった卵なの–––









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