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SSS
第3章 三つの卵
「御三方、本日はイースターでございますよ」
「そのくらい知ってるぞ!」
「ふぅん」
「イースターってなあに?」
召使いが三男ルーイことルートヴィヒに急いで説明する間に長男ロタールと次男シャルルは自分の行きたい所へ行こうとする
「王子! お待ち下さい!」
呼び止められて、ロタールは不快そうに、シャルルは気怠そうに振り向いた
「折角だから皆さまでイースターの遊びをして過ごしましょう」
「それは私を楽しませてくれるのか?」
「ええ、とても楽しい遊びでございますよ、ロタール様」
その解答にロタールは満足気に頷く
「……めんどくさいな」
弟の呟きに、ロタールは強く怒鳴った
「この私がやると言っているんだ! お前が拒否する権利なんてないんだぞ、シャルル!」
「……ハァ」
シャルルは天使のような顔を憂いに満ち溢れさせた
兄は少々支配者としての自覚が強すぎる
素早い判断力と絶対的な指示力を必要とする戦争が続いた時期に育ったからだろう