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SSS
第3章 三つの卵

シャルルも似たようなものではあるが、彼が物心着く頃はちょうど国が混乱と危機に陥っていた
長引く戦争に国は疲弊し、さらには国王が流行病で倒れる始末。
国の実権を握ろうとする第二勢力がシャルルを担ぎ上げるのも必然だった
「嬉しいな、兄上たちとご一緒に遊べるなんて!」
ルートヴィヒはまだ幼い
それが為の無邪気さに加え、国勢も落ち着いている頃に育ったのだ
父王に付いて安全が確保された国土を見て廻り最も人民に触れてきた王子でもあった
「で、何をするんだ?」
それぞれが小さいながらも既に大きな違いを持って育ちながら、この兄弟はそれでも上手くやっていた
「エッグ・アンド・スプーン・レースなどはいかがでしょう、ロタール様」
「エッグ・アンド……?」
「今からご説明いたします、ルートヴィヒ様」
召使いは子供でも分かるようにとゆっくり説明を進めてゆく
「まずこのようにスプーンに卵を乗せ、落ちないように終着点まで運びます。一番早く運べた人の勝ちですよ。
どうです、簡単でしょう?」

