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SSS
第4章 私を食べないで。

「いや、悪夢」
「それは……ご愁傷様」
「聞けよ」
いつもは無口なくせに、今日の凪は妙に喋りたがる
「お前がヴァンパイアで……俺の血を狙って襲ってきた」
「……」
「…笑えよ」
自分の話が予想外にウケなくて、凪は焦った
もっと話していたいのに–––
「……フフ」
「…んだよ」
「何だよって、凪が笑えって言ったんでしょ」
「……」
不機嫌そうなため息が聞こえる
いつもと、同じだ
「…同じだね……」
「は? 何が」
「いや……こっちの話」
凪も寂しいんだろうなぁ
「……凪」
「あ?」
「trick or treat」
「…うるせぇ。お前を喰っちまうぞ」
完

