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SSS
第4章 私を食べないで。



「……」



–––



「……」



何度目かのコールの後、ようやく相手が電話に出た



「……もしもし」

「あ、凪?」

「どうした」



現実の彼は夢の中ほど情熱的じゃない



「別にどうもしない…けど……」



あっさり返されて思わず口籠る



「邪魔だった?」



大学とか、外にいたのかもしれない



「ああ……寝てた」

「……」



相変わらず過ぎて怒る気にもならない



「ずいぶん気楽だね……大学はいいの?」

「別に……外に出ると近所のガキが菓子ねだってきてうるさい」



菓子–––ああ、ハロウィンか



「あ、そう。家訪ねて来られても寝たふりすれば済むもんね」

「まぁな……いつのまにか本当に寝てたが」



ふぅん、とだけ返しておく

自分はこんな–––こんな想いをしてたのに。



「……夢、見たぞ」

「へぇ、いい夢?」



話題に唆られてつい返事をしてしまう


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