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本の夢…
第3章 秘密の恋
「じゃあ…、夢…。僕と秘密の恋をしよう。」
「秘密の恋?」
「そう…、本の真似をする。だけどそれは全て現実で、夢のやりたい恋を僕とするんだ。それは決して人に知られちゃいけない恋だ。」
「先生の迷惑になるから?」
「違うよ…、夢…。夢が可愛いから夢が傷つく事になるのは僕が嫌なんだ。僕と本の中の恋の真似をして夢がもしも本当の恋を見つけたら僕のレッスンは終わりだからね。」
「先生が全部を教えてくれるの?現実も本みたいにドキドキとかしたり気持ちよくなったりするの?」
「全部、教えてあげる。」
先生が私を抱きしめる。
暖かくてずっと先生の腕の中に居たいと思った。
「夢は可愛い…。だから僕は夢を要らない子なんて思わない。夢は僕の為に現実を頑張って生きて行こうね。2人なら夢も悲しくないだろ?」
「うん…、先生と勉強をする。先生が居てくれるなら頑張ります。」
その後は先生に恋愛小説の勉強をする分、学校の勉強もちゃんとする事って約束させられた。
もしも、テストで赤点を取ったら恋愛小説の勉強は教えないぞって脅された。
始業式まで先生とは会えないけれど、先生が携帯の番号とトークアプリのIDを教えてくれて万が一の時は連絡をして来なさいと言ってくれた。
先生が居るから大丈夫と思った。
1人じゃない。
たった1人でも私を要る子と言ってくれる人が居る。
それだけで胸がドキドキとかして幸せな気持ちになった。
本で見た恋の始まりのドキドキってこのドキドキ?
先生との秘密の恋に期待をするドキドキ。
先生は本の真似をするって言っていた。
じゃあ、本に出ていた私がして欲しい事も先生がしてくれるの?
何故か顔が熱くなって小さな胸がきゅんとした。