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本の夢…
第6章 初めてのデート



5時半に図書館を出た。

先生があの公園のバラ園のガゼボに行って待っていて欲しいと言った。

先生との秘密の恋が始まった場所。

電車に乗ってその公園に向かった。

6時過ぎに着いた。

1時間くらい先生を待った。


「遅くなってごめんね。」


先生が私の手に暖かい缶コーヒーを握らせる。


「先生…。」

「チョコレート…、一緒に食べよう。」


先生が私の頬にキスをしてくれる。


「もう、校則違反はしないよ。」

「僕との不順異性交遊も?」

「それは止めないもん。」


先生が辛い顔をする。


「夢…、夢が卒業をするまでだから…、出来るだけお互いが我慢をするようにしよう。」


ギュッと先生が抱きしめてくれる。


「うん…、愛してるから我慢をする。」

「僕も夢を愛している。」


先生がいっぱいキスをしてくれた。

先生のキスはチョコレートの味がして初めて本みたいに甘いと思った。

先生がホワイトデーは春休みだから学校の外で待ち合わせをしようと言ってくれる。


「いいの?」

「デートをしよう。」

「するっ!」


先生と学校の外で会える約束が嬉しかった。

遅くなったけれど先生に送ってもらう訳にいかないから、バラ園で別れた。

夜道は危ないからタクシーに乗りなさいと先生が私にお金をくれる。

要らないと言ったけれど先生は絶対にタクシーで早く帰りなさいと繰り返し言うだけだった。

家の手前までタクシーに乗って帰った。

家に入るといきなりお母さんに頬を叩かれた。


「こんな時間まで遊び歩くってどういうつもり?」


なんで今日に限ってお母さんが居るの?

そう思った。



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