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本の夢…
第6章 初めてのデート
図書館で勉強をする。
5時に先生が図書館の鍵を閉めた。
と思ったら、今日は先生が鍵を掛けた扉がノックをされた。
私は慌てて2階の本棚の影に隠れる。
「返却時間なら終わりましたよ。」
先生がもう1度扉を開けた。
他のクラスの女の子が居た。
「本の返却じゃないんです。これっ!受け取って下さい。」
その子が真っ赤な顔で先生に紙袋を差し出した。
胸が痛くなる。
先に先生にチョコレートを渡されちゃった。
なんだかイライラとする。
「受け取れません。見逃してあげるから早く鞄に入れて帰りなさい。これは校則違反です。」
先生が凄く怖い顔をした。
「でも…。」
「2度は言いません。これ以上、僕の言う事が聞けないなら校長に通報する事になります。」
厳しい先生の言葉にその子が泣いて走り去った。
どうしよう…。
私も怒られる。
そう思うと悲しくなる。
先生がまた扉に鍵を掛けて2階に上がって来た。
「夢…?」
「ごめんなさい。」
先生に鞄の中を見せた。
「君って子は…。」
先生が呆れた顔をした。
「だって…。」
「僕がクビになるのは構わない。だけど、もし持ち物検査があったら夢が停学になるんです。だから夢は絶対にそんな事をしてはいけないんだ。」
涙がいっぱい出た。
「ごめんなさい…。」
何度も先生に謝った。
「夢だけは絶対に傷つけないと決めたんです。」
先生が私の髪を撫でてそう言った。
先生との秘密の恋だけでも危険な事なのに、私は馬鹿な事をしたのだと本当に反省をした。
「今日は少し遅くなっても大丈夫かな?」
先生が私の涙を拭って聞いてくれる。
小さく頷いた。