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本の夢…
第10章 卒業



ドキドキとする11月…。

合格通知を見た時、涙が溢れて止まらなかった。

お父さんと2人だけで食事に出掛けた。


「おめでとう。」


お父さんの言葉に


「まだまだだよ。私の未来は今始まったばかりで私の目標にはまだ届いていないんだから…。」


と答える。


「大人になったな…。」


お父さんが寂しそうに笑った。

この後の事は叔母さんに相談をしなさいと言われた。

翌日、久しぶりに図書館で受験と関係のない本をゆっくりと読んだ。

5時に先生が図書館の鍵をかける。

本当は私が居るのは規則違反…。

でも、今日だけは見逃して欲しいと願う。


「おめでとう…。」


図書館の見回りを済ませてカーテンを閉めた先生が私にキスをくれる。


「頑張ったよ。」

「うん…、頑張ったね。」


素敵な笑顔を私に向けた先生にしがみつく。

もう大人だ。

ゆっくりと先生とのキスを味わい楽しむ余裕のある女になったと思う。


「そろそろ、帰ります。」

「気を付けて帰りなさい。」


僅か10分の時間だったのに私は満足をしていた。

あっという間に終わる学生の時間の中で僅か10分がとても長くて大切な時間なんだとという事がもう私はわかっている。

この先の自分の夢の為に進んで行くには、しっかりと時間の大切さを噛み締めて進む事が大切なんだと思った。


「本当によく頑張ったわね…。」


担任の先生からも暖かい言葉を貰った。


「これからは?」

「大学が始まるまでは図書館で色々な本を読む予定です。」

「そう…、将来に向けて頑張りなさい。」

「ありがとうございます。」


先生にしっかりと頭を下げた。



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