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島人物語
第22章 死

涼said
遠くに見える小さな船と・・・。
うちの店の船・・・。
・・・・・・。
「涼さん、・・・あれ・・・淳さんじゃ・・・。」
達也が指さす方に・・・確かに淳の姿が見えた。
でも・・・様子が変だ。
俺は双眼鏡を持ち・・・淳の方に向けた・・・。
・・・・・・・・ッ?!
「達也ッ・・・直ぐ救急車港に着けるよう連絡しろッ・・」
「えっ?!」
急いで船を二つの船の方に付け・・・・・。
「淳ッ!!!!」
船を移ると結城がぐったりしてお腹を庇っていた・・・。
「結城ッ!!」
俺が持ち上げると結城のお尻がびっしょり濡れていた・・・。
「涼・・涼ッ・・・・赤ちゃん・・・赤ちゃんが・・・・」
・・・・・・・・・。
「産まれちゃうッ!!!!」
ぇえっ?!
目の前には結城・・・その先には血だらけの淳・・・。
「達也ッ!!淳を運べッ・・・」
俺がそう言うと淳は血だらけのままフラフラと振り返り・・・。
「俺は死ぬんだ・・・早く行け!」
はっ?!
「お前何言ってんだって!馬鹿か?早く行くぞ!」
俺がそう言うと・・・。
「早く行け・・・産まれるぞ!」
淳・・・・。
そう言って淳は昌也の方に向かってフラフラ歩いて行った。

