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写性 …SHASEI…
第3章 新居
「ない。お父様と同じのが着たい。」
沙絵は沙織にそっくりだ。沙絵といるというより、
取り残された五歳の沙織といるのではないかと錯覚するほどに…
起きて僕を呼ぶ沙絵を迎えにいくと、
寝ぼけているのか、自分が死んでしまったなどと言う。
寂しい思いをさせてしまったということと、死なせたりしないという思いで抱き上げた。
沙絵が手足を体に巻き付けてくる。
長らくご無沙汰だった僕の体を何かが貫いた。
いくら愛した女性の娘で彼女にそっくりだとはいえ、
五歳の子供に欲情するなんて、
沙絵の背中を撫でながらも、実は自分を宥めていた。
沙絵は気丈な子だと思っていたのに、凄く甘えてきた。今まで我慢してきたのだろう。沢山甘やかしてあげよう。
そう思って声を掛けると、僕の首筋に顔を埋めて擦り付けてくる。
沙織と同じ匂いが鼻腔を擽る…
ズクリっ…
自身が着物の中で頭をもたげたのを自覚した。
まずい…
僕は沙絵の父親だ。
また宥めるのに、沙絵が僕のベッドに降ろしてくれという。
そのくせ、手足を巻き付けたままだ。
背中に手を添えてゆっくり降ろしても、手足が離れない。