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私怨の宴 背徳の凌辱
第11章 最後の黒幕
「志桜里?」
石岡に握られていた銃口は今、志桜里の手で夫、恭平に向けられているではないか。
「あなた…死んでもらいます」
聞いた事の無い憎悪と怜悧な妻の口調だった。
「ど、どういうことだ?」
「私が…あなたのそばにいたこの五年間…この日を待っていたわ」
「な、なぜだ、どういうことだ」
志桜里はまだ死後硬直の始まらない石岡の指を操り、銃の引き金をセットする。
「東出直人は…私の大切な人だった。あなたは調べもしなかったようね。私が彼の事務所でアルバイトをしていたことを…」
驚愕の告白だった。東出の法律事務所に我が妻がいたことなど。
「東出は確かに薬に手を染めていた…。でもこの国になくてはならない政治家でもあったわ。薬物依存から抜け出すための決意を固めた直後よ、あの銃撃戦の場に出向いたのは薬と決別することを宣言するつもりだった。あの人は…私のかけがえのない男性だった…。それをあなたは偽りの正義感と己の保身のためだけに、その命を奪った」
「お前、まさか…俺への復讐のため…」
恭平にいやな予感が走る。
石岡に握られていた銃口は今、志桜里の手で夫、恭平に向けられているではないか。
「あなた…死んでもらいます」
聞いた事の無い憎悪と怜悧な妻の口調だった。
「ど、どういうことだ?」
「私が…あなたのそばにいたこの五年間…この日を待っていたわ」
「な、なぜだ、どういうことだ」
志桜里はまだ死後硬直の始まらない石岡の指を操り、銃の引き金をセットする。
「東出直人は…私の大切な人だった。あなたは調べもしなかったようね。私が彼の事務所でアルバイトをしていたことを…」
驚愕の告白だった。東出の法律事務所に我が妻がいたことなど。
「東出は確かに薬に手を染めていた…。でもこの国になくてはならない政治家でもあったわ。薬物依存から抜け出すための決意を固めた直後よ、あの銃撃戦の場に出向いたのは薬と決別することを宣言するつもりだった。あの人は…私のかけがえのない男性だった…。それをあなたは偽りの正義感と己の保身のためだけに、その命を奪った」
「お前、まさか…俺への復讐のため…」
恭平にいやな予感が走る。