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私怨の宴 背徳の凌辱
第11章 最後の黒幕
「そうよ、貴方に近づいたのは10年前の真相を探るため…当初から東出さんを殺したのは貴方じゃないかと疑念は持っていたけどね。この事件は私が石岡さんの企みを知って、協力したの。わざと彼らにさらわれて、凌辱も受けた。石岡さんに抱かれたのもあなたを動揺させるため…」

志桜里はあれほど凄惨な体験をも、さらりと言ってのけた。あのマフィアと夫の共に嬲り者にされた生き地獄のようなレイプさえも、私怨を晴らし、背徳の凌辱にむせぶ妻を演じる『部隊』でしかなかったというのか。
「美空ちゃんには気の毒だったけれど…。石岡さんは最初から死ぬつもりだった、だから…これでいいの…。大切な仕事は私がさせてもらうって決めていたから…そう、貴方を殺すという大役を…いつか言ったでしょう、貴方と会って封印した恋があると…」
恭平は脱力するしかなかった。かつて夫を痺れさせた思慕の言葉は、今宵の復讐劇の予告だったのだから。

志桜里が渾身の力で、引き金を引いた!!
「さよなら、貴方…」
志桜里が血飛沫に塗れた美貌を悲し気に歪めた。
                       
                  『完』
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