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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第2章 二人のラスト・ドライブ
彼の言うとおり。

愛情が冷めたなんて分かりやすい理由をこじつけたのは、真実があまりにも残酷だったから。

残酷で耐えきれなくて認めたくなくて目を背け、彼に嘘をついた。

「この前の夜。我々はお互いを愛し過ぎたと僕はきみに言った」
「ええ。覚えてるわ」
「でも本当は少し違う。愛し過ぎたんじゃなく今でも愛しているんだ。全然冷めてなどいない」
「だからお別れするの」
「何だって?」
「愛し過ぎて今でも愛していて、好きで好きでたまらないからもう終わりにしたい」
「きみの言ってる事はさっぱり意味が分からないよ。どうして愛しているから別れるんだ」

苛立った彼の声。シフトノブに置かれたそのゴツゴツした感触の手に自分の手をそっと重ね、ああ、ここに居たい、ずうっとこうしていたいと願う。

でもそれは・・・叶わない願いだ。
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