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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第1章 愛の終焉

【愛が終わる時】
今からずっと昔のこと。
自分の会社とすべての資産を売り払ってフランスに渡る前、わたしはインテリアデザインの仕事をしていた。美大を卒業して社会人になった当初は会社組織に所属して経験を積み、二十七歳の時に一大決心の末、独立。
当初は個人で細々と仕事を受けていたが、以前からインターネットを通じて発信していたコラムがある企業の目に留まり、その企業と共同で個人ユーザー向けのインテリアペイントを企画した。
「DIY初心者の主婦でも簡単に扱える」というコンセプトが受けたのだろう。その商品がブームの波に乗り、わたしの予想を遥かに超える成功を収め、気を良くしたた我々はさらに関連商品を展開、売り上げは順調に伸びていった。
その時の成功報酬を基に、自分のブランドと会社を立ち上げた。三十歳を迎える年の春先のことである。
二つ年上のその人とは、わたしがまだ学生の頃に出会って付き合い始めた。卒業した彼が選択した職業はランドスケープデザイナー。
耳慣れない言葉かもしれないが、大規模な公園や街の景観をデザインする、比較的近年に認知されるようになった職業であり、特定の資格がある訳ではない。現に彼が所持していた国家資格は一級建築士だった。
今からずっと昔のこと。
自分の会社とすべての資産を売り払ってフランスに渡る前、わたしはインテリアデザインの仕事をしていた。美大を卒業して社会人になった当初は会社組織に所属して経験を積み、二十七歳の時に一大決心の末、独立。
当初は個人で細々と仕事を受けていたが、以前からインターネットを通じて発信していたコラムがある企業の目に留まり、その企業と共同で個人ユーザー向けのインテリアペイントを企画した。
「DIY初心者の主婦でも簡単に扱える」というコンセプトが受けたのだろう。その商品がブームの波に乗り、わたしの予想を遥かに超える成功を収め、気を良くしたた我々はさらに関連商品を展開、売り上げは順調に伸びていった。
その時の成功報酬を基に、自分のブランドと会社を立ち上げた。三十歳を迎える年の春先のことである。
二つ年上のその人とは、わたしがまだ学生の頃に出会って付き合い始めた。卒業した彼が選択した職業はランドスケープデザイナー。
耳慣れない言葉かもしれないが、大規模な公園や街の景観をデザインする、比較的近年に認知されるようになった職業であり、特定の資格がある訳ではない。現に彼が所持していた国家資格は一級建築士だった。

