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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第1章 愛の終焉

「我々はお互いを愛し過ぎたのかもしれない」
「・・・それはどういう意味?」
影になった夫の顔。表情は見えないがその声にはわたしと同じように戸惑いが感じられた。
「愛が深くなければ、すれ違いの生活だろうが顔も見ない夫婦だろうが何も思わなかったはずだ。現にそういう夫婦もいる」
「でもそれじゃ何のために結婚したのか分からないわ」
「うん。僕もそう思う」
「えっ」
「きみを愛していたから、とても愛していたから結婚した」
「・・」一瞬、胸が焼けつくように熱くなり、すぐに潮が引くように消えてゆく。
あとに残ったのは懐かしい気持ちと諦めにも似た後悔。それは燻っているだけの終わってしまった愛の燃殻に過ぎない。灰になって風に吹き散らされる幻影が見えた気がした。
わたしは何も言わなかった。
「・・・それはどういう意味?」
影になった夫の顔。表情は見えないがその声にはわたしと同じように戸惑いが感じられた。
「愛が深くなければ、すれ違いの生活だろうが顔も見ない夫婦だろうが何も思わなかったはずだ。現にそういう夫婦もいる」
「でもそれじゃ何のために結婚したのか分からないわ」
「うん。僕もそう思う」
「えっ」
「きみを愛していたから、とても愛していたから結婚した」
「・・」一瞬、胸が焼けつくように熱くなり、すぐに潮が引くように消えてゆく。
あとに残ったのは懐かしい気持ちと諦めにも似た後悔。それは燻っているだけの終わってしまった愛の燃殻に過ぎない。灰になって風に吹き散らされる幻影が見えた気がした。
わたしは何も言わなかった。

