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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第1章 愛の終焉

「どうしようか。きみはどうしたい?」
「・・ごめんなさい。何の話でしたっけ」
混乱した意識の向こうから聞こえた夫の声。その静かな感触に気分が落ち着いてくる。刹那の戸惑い、恐ろしいほどの寂寥と焦燥感は嘘のように消えていた。
「きみが言ったラストデートのことだよ。どうした?急にぼうっとして具合でも悪いのか?」
「ううん。何でもないわ。ただ・・わたしたち間違ったことをしようとしてしてるんじゃないかって、急に思ってしまったの」
「間違った?離婚することがかい?」
「そう」
「それは・・十分話し合ったじゃないか」
「分かってるわ。分かってるんだけどね」
ゆったり組んでいた足を解いて夫がソファーから立ち上がった。庭に面した窓に歩み寄り、カーテンを退けて夜の庭を眺める。真っ暗で何も見えないはずなのに。
彼の目は窓の向こうではなく、別のものに向けられているのかもしれない。
「・・ごめんなさい。何の話でしたっけ」
混乱した意識の向こうから聞こえた夫の声。その静かな感触に気分が落ち着いてくる。刹那の戸惑い、恐ろしいほどの寂寥と焦燥感は嘘のように消えていた。
「きみが言ったラストデートのことだよ。どうした?急にぼうっとして具合でも悪いのか?」
「ううん。何でもないわ。ただ・・わたしたち間違ったことをしようとしてしてるんじゃないかって、急に思ってしまったの」
「間違った?離婚することがかい?」
「そう」
「それは・・十分話し合ったじゃないか」
「分かってるわ。分かってるんだけどね」
ゆったり組んでいた足を解いて夫がソファーから立ち上がった。庭に面した窓に歩み寄り、カーテンを退けて夜の庭を眺める。真っ暗で何も見えないはずなのに。
彼の目は窓の向こうではなく、別のものに向けられているのかもしれない。

