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幸せのかたまり
第1章 幸せのかたまり

特にすることもなかったので、何となく途中まで読みかけだった恋愛小説を読み始め、数ページも行かないうちに、キッチンの椅子に腰掛けたまま眠り込んでしまったようだ。
またさっきの、ギョリ、という音がした。その音の主は窓辺に置かれた鳥籠の中にいた。
「こゆきも居眠り中なのね」そっと近づいて優しく話しかけた相手は麻結美がこの部屋で一緒に暮らしているオスのボタンインコである。こゆきという名は、真っ白な羽色が雪を連動させたので小雪《こゆき》。
そのこゆきは、居眠りをしているとか、遊んでいる時以外で静かに寛いだ気分の時に、上下の嘴をこすり合せて、ギョリ、という音を立てた。だから彼がこの音を出しているということはリラックスして満ち足りている証拠である。
またさっきの、ギョリ、という音がした。その音の主は窓辺に置かれた鳥籠の中にいた。
「こゆきも居眠り中なのね」そっと近づいて優しく話しかけた相手は麻結美がこの部屋で一緒に暮らしているオスのボタンインコである。こゆきという名は、真っ白な羽色が雪を連動させたので小雪《こゆき》。
そのこゆきは、居眠りをしているとか、遊んでいる時以外で静かに寛いだ気分の時に、上下の嘴をこすり合せて、ギョリ、という音を立てた。だから彼がこの音を出しているということはリラックスして満ち足りている証拠である。

