• テキストサイズ
感情のない世界 // 更新される景色
第1章 僕


確かに、僕の身体は人間と同じモノでできている。だから人間と同じように成長するし歳をとる。


身体(イレモノ)──は、確かに同じかもしれない。


だが、それだけだ。


僕には自我がない。


複雑なプログラムと膨大なデータ──それが僕の全てなんだ。


人工知能と呼ぶべきだろうか。他のロボットとの違いをあげるなら、人間の思考を模倣したアルゴリズムが組まれているコト。


だから " 人間的 " な判断は可能だ。


それでもコレは感情ではない。



「ねぇ、笑って?」



感情がないくせに、僕の表情は豊かだ。


目尻を下げて僅かに睫毛を伏せ、眉頭は少しあげる。閉じた唇が自然な曲線で弧を描くように、口角を柔らかく持ち上げる。


これはね、愛しいと、そう伝える時の為の顔なんだ。



「素敵、大好き」



数えきれないパターンの表情が、目の前の君に錯覚を与える。


そしてまた──喜ぶ君を見て僕さえも錯覚する。


もしかしたら僕にも、感情があるのかもしれないって。



/33ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ