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溶ける
第2章 何で突然に

もう自分には舌先と呼べる部分はないとわかる。

だって歯の裏に届くものがないし、口腔内を探ることが出来ないのだから…


崩れ落ちる踵を引きずって母の元にたどり着く。

不思議と痛みはない。
体内でシュウシュウと音がして、ぬるりと溶け落ちる感触は不気味で、奪われていく怠さと痺れはあるものの、体が離れる痛みはない。


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