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またいつか貴方と
第12章 研修学習会
『相手の方は今お付き合いしているのよね?』
「...はい。」
『そう。早めに親御さんに話して
病院に行きなさい。
彼ともよく話して産むか中絶するか話して。
今もう10週くらいだから
中絶するなら早くしなきゃダメよ。
今日は研修学習会から帰って話なさい。
学校の先生には優れないから帰らせてあげてって
話してあげるから。
親御さんお迎えこれるかしら?』
平日だからお父さんは仕事だし
お母さんは車がないし…
一応聡くんに連絡してみよう。
プルルルル…プルルルル…
「沙綾?どした?」
「…聡くん…どうしよぅ…グスッ」
電話の向こうで焦っている。
それでも私は話を続ける。
「あのね、体調が良くなくて
帰ることになっちゃったんだけど…
お父さん仕事だしお母さん車乗れないし
どうしよう。」
「え?体調悪い?
迎えに行くのはいいけど俺でいいのか?
おばさんには言ったの?」
「まだ…」
聡くんは優しい声で私を落ち着かせてくれる。