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またいつか貴方と
第13章 二人の決意

『ちょっと、あなた!!』
お母さんが口を挟むとお父さんはすぐに遮る。
『まだ2人とも若い。
まずは高校をきちんと卒業してからだ。』
お父さんの意思は固まっていて揺るがない。
「お父さん。
私はこの命を見捨てることは出来ない。
一つの命も守れないでこれからどうやって
やっていけばいいの?
お父さんももしお母さんが学生で
妊娠したら堕ろせなんて言える?
私と聡くんはそんなこと出来ない。
だから産ませてほしい。」
『あなた。沙綾や聡くんの意思を
通させてあげませんか?
私たちの孫でしょう?』
『孫…か。』
お母さんの言葉にお父さんは小さな声で呟いた。
お父さんはリビングから出て部屋に篭ってしまった。
『聡くん明日の病院は私も行くわ。』
「ありがとうございます。
沙綾もその方が心強いと思うので。
明日の朝迎えに来ます。」
今日はゆっくり休むように私に言うと
聡くんは徒歩15秒のおうちに帰って行った。

