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またいつか貴方と
第23章 生死の分かれ道
「もしもーし。蛍子ちゃん?」
『沙綾...お、落ち着きなさいよ。
あの、えっと…今すぐ来て!!!』
取り乱しているような蛍子ちゃんを
見たのは初めてなような気がする。
いつも凛としてて慌てる事なんてあまりない。
「蛍子ちゃん?私まだ学校なんだけど
何があったの??」
電話の向こうはすごく騒がしい。
いろんな音がする。
そして次の瞬間…
聞きたくない事を耳にしてしまった。
頭を鈍器で殴られたような衝撃...
それは蛍子ちゃんが怒っていて誰かに
怒鳴っているような怒ってる声だった。
『お前の顔なんか見たくない。
帰れ。弟が死んだらあたしがあんたを殺してやるよ!』
弟…が死んだら...。