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またいつか貴方と
第29章 聡くんの最期
『これで最期のお別れとなります。
皆様合掌をお願い致します。』
葬儀屋さんだろう。
棺を入れドアを閉めて合掌をした。
ではお願いしますと言われた聡くんのお父さん。
するとお父さんは私のところに来てくれた。
『沙綾ちゃん大きくなったね。
聡を支えてくれてありがとう。
ここは沙綾ちゃんにお願いしていいかな?』
それは火葬の点火ボタンを押すことだった。
「いや…私は...っ」
『聡はね、私のところに来ていた時ずっと
沙綾ちゃんの話をしていたんだ。
君と結婚するからとか大好きなんだとかね。
それが叶えさせてあげられなかった。
許してね。
でも君も私の中では家族だ。
だから君に託すから。お願いします。』
ここまで言ってもらえたのは嬉しかった。
近所の幼馴染の私が聡くんの家族に認められた。
「分かりました...」
そして私は点火ボタンを押して泣き崩れた...