この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
またいつか貴方と
第30章 居なくなった今
道隆さんは車にあるバッグから
ある封筒をだして私に渡してきた。
そこには『道くんへ』書かれているのは聡くんの字
『中見ろよ』
道隆さんに言われて中の紙を出した。
そこには便箋5~6枚にびっしりと書かれている。
冒頭に
俺に何かあれば沙綾のことよろしくお願いします。
こう書かれていた。
何かあればって何よ...
自分でそんなこと思ってたの?
どうしてこんなもの書いてるの…
そのあとに続く言葉はまるで私の取扱説明書だった。
どんな感じだとどう思っていてこうすればいいと
どうしてこう詳しく分かっているのか
そっちの方が不安になってしまう。
『あいつは本気でお前が好きだったから
よく見てると思わないか?
そんなやつに託された俺は責任重大なわけよ。』
またタバコに火をつけて私を見ながら
道隆さんはさらに話を続ける。
私は黙って聞くしかできなかったけど
そこには聡くんの想いが詰まっていた。