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第13章 新学期

単純に園田さんの携帯のアドレスを誰も知らんかっただけという事だった。

それを園田さんが自分だけが誘って貰えなかったと母親に言うた為に問題が大きくなってまう。


「うちの子がイジメを受ける学校に通わせるのは不安です。」


園田さんの母親が初めてチラつかせた不登校。

結局、学校側としては文化祭や体育祭の打ち上げに関して学生主体の集合を基本は禁止にして、やりたければ担任の許可を取り、全員に連絡が行き渡るようにするという姿勢にせざるを得なくなった。

そのせいで学生の中では園田さんはますます腫れ物扱いとなり、成績が悪く大人しい以外の取り柄がない園田さんは微妙に孤立をしたままの学生生活が続く。


「んじゃ、園田さんと何をしててん？」


なんとなく聞いてまう。


「あいつ、いわゆる学習障害やろ？」

「そうや。」

「だから確認をしただけや。」

「なんの？」

「あいつの学習障害のレベルを…。」


意味がわからん。

透の考える事は今ひとつ理解が出来ない。


「園田の場合、文字が頭に入らんらしい。だけど音楽の成績は問題がないとか言うから英語を耳で覚えろって会話をしただけや。」

「そうなんか？」

「実際、俺が英語で話し掛けてみたらカタコトでも園田はまともに答えて来たからな。」


そうすれば少しは成績が上がると透は園田さんに約束をしたらしい。

そういう事か…。

納得をすれば気が抜けた。


「今晩は寝れると思うなよ。」


不機嫌な透が私を睨んでる。


「ごめんなさい…。」

「絶対に許さん。」

「堪忍やて…。」


笑って誤魔化しても透に通用はしない。

透が店に行く時間になったから私は透のご機嫌取りにご飯を作って透を待つ夜を過ごす羽目になってた。