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嘘やろ!?
第3章 個人ファイル
頭がガンガンとする。
最悪や…。
完全な二日酔い…。
今日が日曜日で本当に良かったとか思う。
所々がまちまちの記憶やけど、イケメン君に抱かれてイケメン君の女になる言うた事は覚えてる。
まだイケメン君のベッドの中。
シングルやから狭いわ。
イケメン君は私に背中を向けてまだ寝てる。
窓には高く登った陽が当たって部屋の中が随分と明るくなってる。
イケメン君から逃げるべきかを考える。
Barの見知らぬバーテンダーと行きずりの1夜でこの関係を終わらせるべきか?
かなり好みのイケメン君だから、このままちゃっかりと彼氏としてキープをすべきか?
この年齢になると色々と打算的な事を考えてまう。
間違いなくセックスは最高やったぁ…。
やば…、思い出しただけで身体が疼いてまうわ。
だけど…。
水商売の男で見ず知らずの男やし…。
と思いながらイケメン君の調査とばかりに狭い部屋の中を見渡してみる。
小さなよくあるワンルーム…。
シングルベッドに小さな本棚…。
そしてポールだけで組み立てられた洋服掛け…。
嘘やろ!?
その洋服掛けに何故か絶対に見たくない服が吊るされてる。
イケメン君が寝返りを打って私の方へと向く。
恐る恐るとその寝顔を確認する。
全裸のまんま南極まで突き飛ばされたと感じるくらいに全身が凍り付いた。
そのまま、たっぷりと5分は固まった。
あかん…。
これは絶対にあかんて…。
恐怖に手が震えてまう。
もう一度、ゆっくりと洋服掛けの確認をする。
そこには間違いなくうちの学校の男子の制服が掛かってる。
黒のブレザーで胸ポケットにはうちの学園の校章が刺繍されてる。
見間違いを祈りながらイケメン君の確認をする。
それは、やっぱり見慣れた寝顔…。
去年から今年にかけて何度も見た寝顔や。
そろりそろりとベッドから抜け出そうとした瞬間、手首がガシッと掴まれた。
「どこに行くんや?朱音…。」
目を開けたイケメン君がニヤリとしてそう言った。