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嘘やろ!?
第18章 受験日
ほんまは透に言わなあかん話…。
「ほんまに透が園田いう子に受験が終わったら気持ちを言うたるとか言うたんか?」
「らしいですよ…。だから、彼女は試験が終わるまで待つつもりみたいやったし…。」
「らしくないな…、透やったらそんな風に女に気を持たせる事はせんのやけど…。」
確かにそれは言える。
佳奈子は完全スルーの透…。
わざわざ受験の日まで待たせる回りくどい事をした意味がわからん。
しかも私に迎えに来い言うといて園田さんを呼ぶとかありえへん。
「佳奈子はなぁ…、一応、これ以上は家主として困るから警察呼ぶぞとは言うたんやけど…、実害がないから警察も動かれへんのや。だから朱音ちゃんもひとまずは知らん顔しとけ。」
そんな話をおつまみの料理を食べながら遼さんとする。
「遼さんも料理が美味いんや。」
「この店の調理師免許は俺のや。透のとちゃうぞ。」
膨れっ面をする遼さんはやっぱり透にそっくりやと思う。
「DNA鑑定…、要らんかも。」
ついつい、そんな事を言う。
「今更、透が嫌がるから受けられへん。」
さっきまでの遼さんとは表情が変わって寂しく笑う。
「なんで嫌がるんです?」
「俺を親父として認めるのが怖くなったからやろ?反抗期やからしゃあないわ。」
「でも…。」
「透には透の生き方がある。今まで自分は孤児やからと気を張って生きて来たんが自分の勘違いやったって認めたら、今の自分が崩れる気がするんやろ。なら、不都合はないんやからこのままでええんや。」
これ以上はやはり親子の問題で私に口を挟む余地はない。
「そろそろ時間やろ?」
そう言う遼さんと店を出て透の車で透を迎えに行く事にした。