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嘘やろ!?
第18章 受験日
透の部屋に帰らなければ…。
そこなら園田さんも佳奈子も入れない領域…。
透が私だけのものになる場所…。
だから私は透の部屋に帰る。
マンションのエントランス…。
人影が見えると怯えてまう。
「朱音ちゃんやん?」
「遼さん…?」
こんな時間に遼さんが起きてる事に驚いた。
「珍し…。」
「やかましい…、今日は買い物せんと冷蔵庫が空やったんや。」
見れば遼さんはスーパーの帰りらしくレジ袋を手に下げてる。
「あのね…。」
「なんや?」
「ちょっと遼さんにお願いが…。」
「だから…、なんやねん?」
遼さんと2人で店に向かう。
遼さんが厨房の冷蔵庫に食材を詰め込んでる。
「透が今日、受験なんです。」
「そうか…。」
透が何をしてても気にしない態度…。
「だから…、夕方まで一緒に居て貰えます?」
「なんで?」
1人で待ってんのが嫌やもん。
「それから夕方に透を迎えに行くのに付き合って欲しいなぁ…って感じ?」
「だ・か・ら…、なんでやねん?」
遼さんが買って来た食材で料理を始める。
園田さんが居るかもしれない事情と1人で居たくないと遼さんに話す。
「俺は構へんけど…、透が拗ねよるで?」
多分、そうなる。
園田さんが居ても、もう教師と学生の立場やないんやから堂々としとけと透は怒る。
わかっとって遼さんに甘えてまう。
きっと遼さんが透に似てるから…。
「朱音の頼みやから聞いたるわ。」
遼さんがニヤリとする。
呼び捨てにして透と同じ言葉を言われたらドキリとしてまう。
透は遼さんに近寄るな言うた…。
やっぱ、あかんかったかな?
迷う私を店のカウターに座らせる。
作った料理を店のカウターに置いて私の前にカクテルを出して来る。
「カクテルは…。」
「ノンアルコール…、昼間っから飲ます気はない。」
遼さんとずっと昼間のBarで話をする。
一緒に暮らす事…。
園田さんや佳奈子の事…。
私が抱える不安を何故か遼さんにだけ話す。