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嘘やろ!?
第19章 すってんてん
試験会場前…。
遼さんは運転席…。
私はこそドロみたいに後部座席に隠れる。
「あれが園田って子か?」
入り口で試験が終わって出て来た受験生を待つように立ってる園田さんが見えた。
「おっ?透や…。」
どこ?
後部座席からは見えにくい。
「おっ?女の子が駆け寄った。」
「おっ?透が俺に気い付いた。」
実況生中継かい!
呑気な遼さんにキレそうになる。
「おっ?やっぱスルーやんけ…。」
遼さんがそう言う。
透は真っ直ぐにこの車に向かってる。
透に追い縋る園田さんが見える。
透が振り払って何かを言う。
園田さんの驚愕する顔…。
そのまま、かなり不機嫌な顔で透が車に乗り込んで来た。
「お前っ!なんで親父に運転させとんねん!」
後部座席に向かって怒鳴り散らす。
遼さんは平然と車を発進させる。
「園田さんが居ったし…。」
「だからって親父と来るか!?」
帰り道中はひたすら口喧嘩…。
「受験が終わったら気持ち言うたるって園田さんを呼んだんは透やろ!?」
「なんで俺がアイツを呼ぶねん。お前に迎えに来い言うただけやんけ?」
「けど実際に園田さん来とるやん!」
遼さんだけが笑ってる。
「とりあえず朱音ちゃんに園田って子の説明くらいしたれや。男と違うて女はそういうのが気になる生きもんなんやからな。」
遼さんの言葉に透が静かに話をする。
男として遼さんに負けてるのが嫌な透が顔を歪める。
「別に話すほどの事はねぇよ。去年の終業式に園田から付き合いたいとか言われただけや。」
透がポツポツと話出す。
去年の終業式…。
嫌な記憶が蘇る。
透を失くしたと勘違いしてた日々…。