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嘘やろ!?
第20章 モフモフ
意外と入学式と卒業式だけは保護者の参加率が良い学園…。
入学式に生徒達を参加させるべく私は子供達を先導して席に並ばせる。
今年は27名…。
毎年減るんか?
25名を切ったら一クラスが消える。
だから退学者は出せないと気合いが入る。
式は順調に始まる。
国歌斉唱…。
続けて校歌斉唱…。
知らん校歌を聞かされてもという顔の保護者達。
生徒達はクスクスと笑ってる。
うちの校歌は行進曲風のテンポ…。
学び舎に集う若き獅子…
なんて、張り切ってオペラ風に歌われても現代っ子には笑い話や。
校歌が終わり学園長の挨拶が始まった。
「本日は皆さん、ご入学おめでとうございます。」
いつものようにニコニコとした学園長…。
次の瞬間…。
ガシャンッ!ガタガタガタ…。
新入生のど真ん中で派手な音が鳴り響く。
騒然とする講堂。
「何事や!?」
中野先生が叫んで駆け寄る。
嘘やろ!?
怯えた顔の子供達が逃げるようにして身体を背けた辺りにぽっかりと空いた空間…。
その中からゆらりと立ち上がる若き黒豹の姿が浮き上がる。
その左手には完全に怯えた顔をした眼鏡の少年のネクタイが首が締まるほどに手に巻き付けて握りしめながら持ち上げられてる。
黒豹のもう片方の腕は拳を高く振り上げる。
「篠原君!あかんっ!」
自分の叫び声が講堂中に鳴り響く中を黒豹が3人がかりの男の先生に取り押さえられるのを確認した。
騒ぎの元であるJrだけが講堂から引き摺り出されてしまった。
後はどうにか騒ぎを収めてとんでもないスピードで入学式が推し進められる。
学園側としては出来るだけ早く終わらせて一度教室へ生徒達を戻した後、保護者達に生徒達の無事を確認させなければ本当の騒ぎは終わらないと判断をした。