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嘘やろ!?
第20章 モフモフ



「楠木先生…、出来るだけ速やかに子供達を教室へ移動させて下さい。」


副学園長に背中を叩かれて我に帰る。

何が起きたんや!?

教室に帰るなり生徒達に質問をする。


「篠原君に何があったかわかる子は居る?」


私の質問に皆んなが嫌な顔をする。

あんな奴はクラスに居ない方がええという反応。


「隣りのクラスの男子がドレッドヘアーは痛くて痒くて臭くなるだけの頭やって言うたんです。」


入学式前にJrに話し掛けていた女の子が親切に教えてくれる。


「えっと…。」


急いで名簿を見る。

今日はまだ出席番号順で席に着いて居る。


「内田 愛梨(あいり)です。」


ハキハキとした内田さんにホッとする。


「ありがとう…、内田さん。すぐに皆さんの保護者の方が来られますから、皆さんの顔を見せて安心をさせてあげて下さいね。」


型通りの説明をしてやるべき事をやる。

15分もすれば保護者達が教室に現れる。


「それでは皆さんは明日、元気に登校をして下さい。保護者の方々は少し説明会をさせて頂きますのでお子さんの席に座って頂けますか?」


子供達と保護者を入れ替える。


「今年、1年間、皆様のお子様をお預かりする担任の楠木と申します。教科は英語担当で…。」


ひとまずは在り来たりの挨拶をする。


「さて、1年の行事についてですが…。」


学園生活の流れも年間の行事予定をプリントしたものを配り在り来りの説明を行おうとした。


「その前に入学式での事を説明して頂けますか?」

「あれは暴力事件ですよね?」

「イジメとか…、やはりそういうのがあるのですか?」

「あまり危険な学園なら通わせるのには…。」


口々と保護者が叫び出す。


「すみません、今日の事はまだ状況の確認が済んでおりませんので、後日、子供達の方へ説明を差し上げますから、今日のところは学園生活に必要な事を説明させて下さい。」


相手は大人だからという考え方が甘かった。


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