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嘘やろ!?
第20章 モフモフ



「透は遼さんの変態の血が流れとるくせに…。」


冗談で言うてまう。

透が一瞬だけ悲しそうに顔を歪める。

やっぱり遼さんを父親とは認めたくないんか?

父親として透に愛情を向ける遼さんがわかるから透の気持ちを痛いと思う。

透は私の髪を撫で続けて話をする。


「けどな…、朱音。そいつが今までどんな思いで生きて来たかは、そいつにしかわからんねん。そこに深入りするつもりなら、それはそれなりに覚悟しろよ。」


未来がわかる透が真面目にアドバイスをくれる。

遼さんとの問題に口を出すなら覚悟しろって意味か?

今はJrの事しか考える事が出来ない。

Jrが今までどんな思いをして生きて来た?

それを先ずは確認をする予定…。


「覚悟は大丈夫…。問題はJrを理解した上でJrが望む形にしてやれるかや。」

「朱音ならやれるやろ…。」

「その根拠は?」

「あほの子やからな…。」

「誰があほやねん!?」

「あほやろ?問題児はスルーして退学させて終わりの高校で無理して退学者を出さないとか言う教師が世の中に何人居んねん?」


言い返す前にキスで口を塞がれる。

あほちゃうもん。

透には絶対に辞めて欲しくなかったんや。

あの学園じゃ大した未来はないかもしれん。

けど透には自分で大きな未来に進む力があった。

その力を中退という形で潰すのだけは嫌やった。

けどJrは…?

Jrにもそんな力があるんか?


「俺がキスしてんのに他の男の事を考えんな。」


透が呆れた顔をする。

今は透だけの時間…。

気持ちを切り替える。


「もっかいキスして…。透の事だけ考えたるから。」


透にキスをせがむ。

愛してる…。

だから私が迷った時は必ず私に正しい道を教えてや。

透にそんな願いを込めてずっとキスだけをしてた。


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