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嘘やろ!?
第21章 コミュ英



後は夕食の買い物…。

時間が欲しいと思う。

明日はまだ土曜日…。

半日授業という仕事やから手の込んだ料理なんかしてやれん。

日曜日にやり直す?

いや…、絶対にまた透を怒らせるだけや。

俺には時間を寄越せへん気か?

そんな透の声が頭の中で聞こえる。

わかっとるわ!

時間やるから待っとけや。

そこまで頭の中の透に言うてから固まった。

時間をやる…。

それって今夜…。

透にアレを見せるという事で…。

うぎゃーっ!?

無理っす!

やっぱり無理っす!

今更に透との約束に怖気付く…。

1人で百面相をする私を通りすがりの人が訝しげな顔で見てたから慌てて買い物を済ませてから透の家に向かう。

あんまり、あほな事ばかり考えてたら変質者として通報されそうや。

ため息をついてマンションの前まで帰って来た。


「ねぇ?透は?」


エントランスのオートロック扉を開けようとして固まった。

ゆっくりとその声の方へ振り返る。






佳奈子…。





「ねぇ?透は?」


返事をすべきかに迷う。


「ねぇ…、2時間だけでいいの。透を貸して、お金なら払うから…。」


はぁ?

嘘やろ!?

透を売れって言うてんのか?


「そんな事…、出来る訳ないやん。」

「そうかな?1回でええから透に抱かれたいだけやねんけど…、あの子セックス上手いやろ?あたしが全部教えたってん。初めてん時は下手やったからなぁ…。」


ふふふと佳奈子が笑う。

ホラーや…。

マジにホラーや。

狂ってる。

佳奈子専用に抱いて来た透やから佳奈子が一番感じるのが透なんやと理解した。


「悪いけど…、透だけは譲らんから…。」


かろうじて、それだけを言うてからマンションの中に入る。

佳奈子がついて来ない事を確認してからエレベーターに乗り込む。

透だけは絶対に譲らん。

何度もそれを呟きながら透が待つ部屋に帰った。


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