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嘘やろ!?
第23章 監禁
「なぁ…、朱音…。お前…、不倫ってどう思う?」
よくわからん透の質問。
「はぁ?」
「率直な意見を聞きたいだけや。」
透は穏やかな顔で私の髪を撫でてる。
深夜に帰って来て、意味わからんよ?
「もしかして千里と慎也さんの問題か?」
心辺りはそれしかない。
透が一瞬、眉を潜める。
「朱音はどう思った?」
「なんせ千里やからなぁ…、止めても聞かへんし。」
「朱音が千里さんの立場ならどうする?」
「無理無理…、どこまで行っても不倫やろ?いくら奥さんに愛が無いとか言うても奥さんになんかあれば奥さんに取られてまうやん?まして慎也さんの場合は子供も居るから家族の時間が嫌でも発生するんやで。」
「家族の時間か。」
「そう、そこには自分は入られへんとか考えたら私なら気い狂いそうになるわ。」
「そうやな…。」
それきり透が黙ってまう。
「透…、どないしてん?疲れとるなら旅行は止めてゆっくりしようや。」
透に抱きついてそう言うてやる。
透は私の髪を撫でてから髪に顔を埋めるようにしてキスをする。
そして…。
「別れよう。」
透がそう言った。
嘘…や…ろ…?
「と…おる…?」
冗談やんな…?
笑ってそう聞こうと思う。
「色々と悪かったな、この家は朱音にやるわ。俺は出て行くから朱音は好きにしろ。」
私を床に立たせて透が私に背を向ける。
「透っ!待ってや、何があったん?何があかんかったん?なぁ…、透っ!」
「朱音は悪ない。俺の問題や。」
透は私を見ずに寝室に向かう。
寝室で荷物をまとめ出す透にしがみつく。
「お願いやから…、透っ!話を…。」
聞いて…。
そう言う言葉が凍りつく。