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嘘やろ!?
第24章 大学病院
「時間やから行くぞ。」
遼さんが病院に向かう。
透は素直について来る。
私は遼さんに肩を抱かれたまま歩く。
「吉岡、久しぶりやな。」
「悪いな。妙な事頼んで…。」
「あの時の子やろ?随分と大きなったな。」
検査を頼んでたお医者さんと遼さんが話をしてる。
私は透と並んで廊下にある長椅子に座ってた。
「悪…かった…。」
透の声が震えてる。
「今更?」
冷静なままの私。
「何、言われてもしゃあない。」
「何があったんよ?」
「親父から聞いてないんか?」
「遼さんは教えてくれへん。」
「クソ親父…。」
透が頭を抱えて悩む。
今更、悩む必要があるか?
透が私を裏切って他の人と結婚するって決めた結果が今の私と遼さんの状況やん。
だから運命なんかどこにも存在しないんや。
それは透が選んだ道やん。
そして私が受け入れた道やん。
遼さんを責めるのはお門違いやで?
そんな風にしか考えられずに検査室に向かう透と遼さんを見送った。
「結果は吉岡の家に送ったるから…。」
検査はすぐに終わった。
「検査結果が出たら俺の部屋に必ず来いよ。」
遼さんが透の頭を子供にするように撫でた。
「親父…。」
「わかっとる。今から朱音には全てを話す。そこまで俺も卑怯やない。けどな透…、一度失ったもんは簡単に取り返せると思うな。それに朱音を譲る気はない。だから俺の女に手を出すな。」
「頼むから…。」
「さっさと帰れよ。」
遼さんが透を冷たい目で見てる。
そんな状況で透は傷ついた顔で帰ってしまった。
私は遼さんに言われるがままに遼さんの部屋に連れて帰られた。