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嘘やろ!?
第4章 三者面談
いつものように仕事を済ませて帰る前に教室の戸締まりの確認に行く。
一瞬、心臓が止まるかと思った。
誰も居ない教室で、まだ透が寝てる。
こんな事は初めてや。
時刻はもう5時。
今までなら戸締まりの確認に来た時には必ず透は居なくなってた。
「吉岡君…。」
恐る恐ると透に声を掛ける。
グッと私の手が握られる。
「やっと来たな。仕事はもう終わったか?」
透がニヤリと笑った。
「ちょっと!?」
「大きい声を出すな。戸締まりはしたんか?」
どういう意味?
透をまじまじと見てまう。
「毎日、戸締まりをしてから帰るんやろ?」
「知ってたんか?」
「いつもなら放課後には向こうの校舎の屋上で寝てるからな。朱音が教室に来て戸締まりをすんのはよう見かけたんや。」
透が向かい側の校舎の屋上を親指で指差した。
放課後は結構、学生の溜まり場になってる屋上。
家に帰ってもつまらんと感じる子が集まる場所。
街を彷徨いて問題を起こされるよりも何の問題も起こさないのなら屋上くらいは解放をしてやろうという学校側の配慮から出入り自由になってる屋上。
透が勝手に教室の後ろの扉の鍵を掛ける。
窓のカーテンを閉めて教室の前の扉の鍵も掛けてまうから密室になる。
その扉の壁側に私の手を引っ張るようにして連れて行く。
「やっと2人だけやん。」
透が嬉しそうに笑って私の胸に顔を埋めて抱きついて来る。
「吉岡君!?」
「あほか?透や。朱音…。」
優しい声の透にドキドキとする。
綺麗な笑顔にキュンとする。
まるで女子高生の初恋や。
「この服は止めろや。」
透が言う。
普通に薄いピンク色の解禁襟のブラウス。
それに黒の膝下までのタイトスカート。
何があかんねん?
自分の服装を見直した。