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嘘やろ!?
第4章 三者面談
遼さんが姿勢を変えて少し真面目な顔に変わる。
やっぱり透に似ていてとても綺麗な顔をしてる人だとは思う。
「透がなんであんな感じ?」
「人を寄せ付けないというか、本当の自分を見せないというか…。でも成績は優秀な子です。それに中学の時になんかあったとか聞いてます。」
「あー…。」
なんか遼さんが考え込んでまう。
「あの…?」
透の事を少しでも知りたいと焦ってまう。
「なぁ、先生。アンタ、透の女やないと言うたよな。だけど透はアンタに本気や。アンタはその透の気持ちに答える気はあるんか?」
全てを見透かされてる気がする。
透と同じ目で遼さんが私を見る。
「どう…いう…意味ですか?」
捕食される小動物みたいに怯えて震えてまう。
「透はちょっと特別な子や。その透が初めて俺の女やと俺にはっきりと言うたんが先生や。」
「は?」
「俺に取られたくないって透が初めて男として俺に牙を向きよった。その先生にその気がないなら透の話をなんぼしても同じやろ?中途半端に先生が透を知って構ってやったりしたら透は男としてますます先生にムキになりよるで?」
どう答えるべきか迷った。
透の事は知りたい。
だけど知った上で透と接すれば、透に気があると思わせると遼さんが言ってる。
それでも…。
「私は教師です。だから透君の気持ちに答える訳にはいきません。それでも、透君の事が心配なんです。だから透君を知りたいし、私で透君の救いになるのなら最悪は教師を捨てる覚悟です。」
涙が出た。
なんでやろ?
泣いてる場合ちゃうのに…。
遼さんが私の涙を指先で拭う。
やっぱりこの人って透にそっくりや。
いや、透が遼さんに似てて真似をしてるんやな。
そんな事を感じる。
「透に惚れてても教師やから自分が許せんのか…。ちーっと話は長なるけど、まぁ、ゆっくりと聞きいや。」
遼さんがゆっくりと昔話を始めてた。
私はただ遼さんの話を不思議な感覚で黙って聞くしか出来なかった。