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嘘やろ!?
第6章 デート
透の上に被さるようにして眠ってた。
「起きたか?」
額に優しいキスをしてくれる。
「何時や?」
「朝の8時や。シャワーを浴びろや。飯を作って来たるから。」
優しく髪を撫でてくれる透から離れたくなくてまだ寝ぼけてるフリをした。
「朱音ちゃんは甘えたさんやな。」
見透かすように透がクスクスと笑う。
「誰がやねん!」
慌てて透の上から離れた。
透もざっとだけシャワーを浴びたら私だけを部屋に残して店の厨房に向かった。
シャワーを浴びて汚れた下着を付ける。
汚れた服を着てメイクを済ませると透がホテル並の朝食を持って帰って来る。
「下着も買うたらんと気持ち悪いやろ?」
カリカリベーコンにスクランブルエッグ、サラダにトースト、オレンジジュースを小さなテーブルに並べながら透が笑ってくれる。
「アンタ、ほんまに料理が美味いな。」
透が作った朝食を食べながらそう言ってた。
大学に行かせるよりも調理師免許を専門学校で取らせた方が良いんちゃうかとか考えてまう。
「中学ん時から厨房に入ってたからな。だけど、こんな商売で朱音を養う気はない。」
「ほな、何で養う気やねん?」
透の本音を聞く為には透に話を合わせてやるしかないと思う。
「プログラマーやな。IT企業からもう声はかかってるんやけど大学卒の方が給料の交渉は何かとしやすいみたいやな。」
なら、やっぱり大学進学をさせるべきやと考える。
「夕べ、親父とはなんか話をしたんか?」
透が少し膨れっ面になる。
「三者面談ん時の文句を言うたっただけや。」
「ほんまか?」
「ほんまや。」
透の真っ直ぐで綺麗な目を見て嘘をつくと胸の奥が痛くなる。
透には少しでもいいから嘘のない素直な自分で居たいと思った。