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嘘やろ!?
第6章 デート
今はまだ透の優しさに甘えてるだけの、ずるい女のままだ。
そんな私を透が抱きしめて来る。
「あのクソ親父には惚れたりすんなよ。」
「せえへんわっ!」
透が不安そうな顔をする。
「前に親父とどっちが女にモテるかの賭けをしたらコテンパンにやられて負けた。」
「どんな親子なんよ!?」
「俺の方が若いから絶対に勝てると思ったんや。だけどあのクソ親父の奴は嘘ばっかり言うて女の同情を引きやがった。」
「嘘?」
「母親が死んだから俺を育てるのに1人で苦労をしたとか俺が反抗期から大変やったとか、とにかくいい加減で適当な事を平気で言う親父やから朱音は絶対に近付くなよ?」
「マジか!?」
夕べの遼さんの話がちゃんと実話なんかと不安になって来る。
「あのクソ親父、俺とは女の好みが同じやから迷惑なんや。」
「仲の良い親子やなぁ。」
「まぁ、あの人には何かと感謝はしとるよ。」
透が寂しく笑うから、また胸が痛くなる。
遼さんはわざと透の好みに合わせてる?
少しでも透には自分に似てるんやから親子なんやと思わせる為か?
どうしたら透の傷ついた心を癒してやれるのかばかりを考えてまう。
「そろそろ行こか。」
朝食を済ませて透と出掛けた。
透の車で透はすぐに高速道路に乗った。
湾岸線…。
向かった先は神戸…。
大阪じゃ透とデートなんかしたら、学校にバレるリスクがある。
神戸でまずはブティックに入る。
少しカジュアルで肩が出る水色のTシャツに膝までの淡い紺色のフレアスカートを透が買うてくれた。
透の好みで私に似合いそうだからと透が選んだ服。
次は下着屋に行き、パンティとブラジャーも透の好みで何枚か買うた。