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嘘やろ!?
第6章 デート
透の事を考えたくなくてスマホでなんとなく気まづいままの結愛に電話をしてみる。
『朱音?』
スマホのスピーカーの向こうから結愛の声がする。
なんとなく結愛が泣きそうな声をしてる。
「悪い、もしかしてお邪魔やった?」
『ちゃうねん…、ありがとう…、誰でもいいから今は話し相手が欲しかってん。』
「どないしたん?」
『なんか色々と不安になって来てな…。』
「何がや?」
『ほんまにこのまま結婚をしていいんかとか、あの人とこの先もずっと一緒にやっていけるのか…、色々と考えてたら結婚式を辞めたくなって来てさ…。』
震える声で結愛が贅沢な事を言い出した。
これが噂のマリッジブルーか…。
なんや羨ましいな。
なんとなく微笑んでまう。
『こんな話をしたら、また朱音には気分が悪いかもとか思ったら話も出来へんし…。』
結愛の声が小さくなる。
学生時代からいつも私に意見を求めたがる小心者の結愛だった。
この結婚相手と交際を始めた時も私の前に彼氏を連れて来て
「この人と付き合ってても大丈夫かな?」
と聞いて来た結愛。
そのたびに、これは結愛の恋愛なんだから結愛が自分で決めなさいと叱って来た私。
今も結愛は私に叱られたがっていると感じる。
「しっかりしいや!花嫁になんねんで?私も千里もなりたくてもなられへんねんで?不幸な花嫁を私らに見せてビビらせるつもりか?」
笑いながら結愛を叱る。
『そうやんな…。』
「そうやで、明日は世界一幸せな花嫁の顔をせなあかんやろ…。」
『うん…、わかった。明日は頑張るから見ててな。』
まるで学園祭で劇の主役をやるような言葉を言う結愛に笑ってまう。
頑張りや…。
結愛を心から励まして早めに寝る事にした。