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嘘やろ!?
第7章 妖怪退治
どうやら、そのアメフト時代の友人が塗り壁とネズミ男という妖怪チームだったのだとわかる。
「あの頃は良かったよねぇ…。」
ネズミ男が言う。
「そうなんですか?」
「僕ら関西でも上位の大学だったから、タレント並にキャーキャー言われたよ。けど社会人になったら地味な会社員?大学は一流やったから良かったけど、社会人アメフトが弱い日本じゃ全然や。」
あー…、大学は一流、しかもヘルメット被ってるアメフト時代はモテたんやという過去の栄光の自慢話か。
関西の大学アメフトの試合はテレビ放送もされとるからタレント並というのはあながち嘘やない。
それでも遼さんの壮絶な自慢話の後だから、今ひとつインパクトにかけるネズミ男の話だった。
誰もが大学時代は人生の花だったと言う。
私だって大学時代は常に隆也がそばに居て周りからは羨ましがられる存在だった。
教師になる事に夢を持ってて自分が薔薇色の人生を送ってるように見えた大学時代…。
透にも、そんな時間を与えてやりたいとか考える。
あかん!あかん!
今は透の事は考えるな!
いや、教師として可愛い生徒の行く末を考えてやるのは必要な事か?
ネズミ男の自慢話を話半分に聞きながら、ずっと透の事ばかりを考える。
今日のアンタは何をしてる?
また1日中、寝てるんか?
「新郎、新婦の再入場です。」
いつの間にか披露宴はお色直しに変わってた。
部屋の照明が落とされる。
まさかのスモークが炊かれて足元にドライアイスの煙りが流れて来る。
狭い披露宴の会場が雲の上になったような演出。
まさか!?
嘘やろ!?
それだけは止めとけと結愛に言ってやるべきだった。
千里がゲラゲラと笑い出した。