この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第2章 イケメン君
「それで…、隆也(たかや)先輩とは一体、何があったの?」
目を輝かせて千里が興味深々に聞いて来る。
隆也とは通算5年を付き合った。
大学の時の1つ上の先輩だった男。
私よりも先に大学を卒業した隆也は大手企業に就職をしてエリートコースまっしぐらな人だった。
常に白い歯、爽やかな笑みで私を見る恋人。
お金持ちの隆也は学生時代からテニスやゴルフをやっていたスマートな男…。
大学でモテモテだった隆也が私を選んでくれた時は、そりゃ涙が出るほど嬉しかった。
でも、隆也が結婚相手に望んだのは専業主婦…。
「2、3年は朱音の夢だった教師をやればいいよ。」
私が教師になったばかりの頃はそんな風に優しく言ってくれる時もあった。
3年目の今…。
「朱音が仕事を辞める気がないのなら、これ以上は俺達が付き合ってても意味がないわな。」
そう隆也から冷たく言われた。
元はモテモテの人。
今の会社でも当然モテモテは変わらない。
今年の2月のバレンタインデーには土日を利用して旅行に行かないかと隆也なりに私との関係の修復を言ってはくれた。
「はぁ?土日?土曜日は授業で来週から学年末テストなのに何を言ってんの?」
そんな返事を返した私が隆也に捨てられるのは当然だと思う。
そしてゴールデンウィークという連休で私は本当に隆也に捨てられた。
「会社の連中と旅行をする。」
そう言った隆也は会社の女の子と旅行に行った。
旅行から帰って来た隆也のバッグに嫌味のようにその女の染みの付いた汚れたパンティが紛れ込んでいた為に発覚をした隆也の浮気。
この浮気を隆也は私がいつまでも教師を辞める気がないと居直って私の前から立ち去った。
半同棲だったから私は隆也の家を出て今まで家賃だけを払い続けてた自分のマンションに帰った。
「…。もっと、なんか壮絶なドラマを期待してたけど意外とわかりやすいリアルな別れ方をしたんやね。」
私の話に結愛と千里が呆れてた。