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嘘やろ!?
第2章 イケメン君



まぁ、隆也と別れてすぐに2人へトークアプリで連絡をした時は


『隆也に浮気をされたから別れる!』


としか言わなかったのだから仕方がない。

そこには隆也の気持ちを踏みにじった私が悪いという現実的な部分はなく、結愛と千里は男に浮気をされた悲劇のヒロインが描く三角関係で泥沼恋愛に陥る劇的なドラマを期待していたらしい。


「まぁ、いいじゃん?終わった恋よりも新しい恋だよ。いいお店知ってるから行こうよ。」


男との出会いがやたらと上手い千里が夜の街を先頭を切って歩き出す。

千里が向かったのはいわゆるBarと呼ばれる店。

お店のカウンターの中ではバーテンダーの制服を着た3人の男の人達がグラスを磨いたりシェイカーを振ったりとしている。

あまり広くないフロアにはツールの高いテーブルに高い椅子が並び、店の奥の角にあるボックス席はゆったりソファーの席がある。

結愛達とテーブル席へと着くと赤い蝶ネクタイをしたスマートな男の人がトレイを持って現れる。


「ご注文は?」


よく通る声…。

銀縁の細いメガネの下には切れ目長な鋭い目…。

髪をディップか何かでナチュラルに後ろへ掻き流したような髪型。

普通のスーツを着せたら銀行マンですと言っても良いくらいに落ち着きと清潔感のあるイケメン君。

よく見るとカウンターの中の男の人達も皆んながイケメン君ばかり…。

金髪にピアスをしている軽い系イケメン…。

色黒でがっちりとしたガタイのワイルド系イケメン…。

それにロン毛の王子様風イケメン…。

思わず、そんなバーテンダーばかりのこのBarに驚いて目を見開く。


「ご注文は?」


田舎者みたいな顔をした私をクスリと笑う銀行マン風イケメン君。


「み…、ミモザ…。」


初めてイケメンを見た女子高生みたいにみっともなく噛みっ噛みで答えちゃう。


「私…、カルアミルクゥ…。」


千里が可愛らしく甘い声を出す。

クスクスと笑う結愛が


「ならビショップで…。」


と落ち着いて注文をした。


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