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奴隷の罠
第1章 一
「……」
「誠也様……?」
変だわ……。誠也様が黙り込んでいる。私怒らせる様な事、何か言ったのかしら……?
牡丹はじっと誠也の顔を見ながら、声を掛けようとした。…が。
「…バカ牡丹!やっぱり君はバカだね!箱入り娘で育てられたせいだとは分かっていたが、男の僕にそんな事を言って!他の男にも言うの?!」
「えっ?えっ?どうしたんですか?誠也様。他の男の人に言うわけありません……」
何故怒鳴られたのか分からず、おろおろする。
そんな牡丹の体へ自身のシャツを脱いで羽織らせると、誠也は不機嫌なまま続けた。
「奴隷ごっこはおしまいだよ!おやすみ!」
「誠也様……?」
勢い良く部屋から出ていく誠也に、牡丹は唖然とする。
…奴隷ごっこ?誠也様はそう思って私にキスしたの?
そんなぁ……。
部屋に残された牡丹は、月明かりに照らされながら暫くの間顔を青ざめていた。